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安保法案衆院可決の問題点は、集団的自衛権云々よりも、憲法を屁理屈レベルの解釈によりないがしろにしていることだ

 安保法案の違憲性に関しては木村草太の説明がわかりやすい。まぁ、素人にとっては専門家の話を鵜呑みにするだけになってしまいますが、周囲の知識人も支持している憲法学者なので、まずはこの人の話を聞いてから、書籍等で知識を深めるのが良いでしょう。

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 自民政権も、違憲状態のものを屁理屈とも言えるような解釈で合憲だと押し通すことに、なんの呵責も感じていないとは思いますが、問題は憲法をこのようにひどく扱って法案を通した前例をまた一つ残してしまうということですね。

 私は日本が自衛隊を軍と称せる国になるべきだと思っているので、憲法改正派です。

 しかし、アメリカのポチとして戦争に巻き込まれ、アメリカが敵国として自国の利益のために難癖を付けた国から恨まれるのは反対だし、憲法をこの様に扱うことで、国内法に対する憲法の優位性を低減させる事に対し懸念を覚えます。憲法を屁理屈のような解釈を持って扱うということは、立憲君主制ではなく、専制君主制というものではありませんか。これは大変です。

 つまり今の自民政権は、アメリカやら中国やらの事情も絡んでのこのなのでしょうが、独裁的にやらないと思うとおりに出来ないんだよと躍起になっているわけです。また、国会議員は皆、国民に対する説明責任を負っているのですが、全くそれが尽くされていませんね。

 世界的に見ると、どの国にも違憲状態の仕組みを保持しながらだましだましやっているという国は有るのですが、日本の安保法案のような前例を作ってしまった場合、今後国民の権利やプライバシーが犯されることが懸念されます。素直な人は、今回の安保法案だって日本のためを思ってのことでしょ、と思うだろうし、実際その目的の方が強いとは思うのですが、権力者の権益を守るためだけにこのような独裁的なやり方を使うことも出来ます。

 それが何かといえば、数日前に衆議員を通されてしまった改正盗聴法です。憲法では、いかなる通信も正当な理由無く盗聴、傍受してはならないと規定されているのですが、さすがにそれではあれなので、組織的な重大犯罪等に限り、盗聴や傍受といった捜査活動を認めてきました。今回衆院を通った改正案は、それらの制約を大きく取り外し、小規模な犯罪やその共謀に至るまで対応できるようにしたものです。

 犯罪を取り締まるためならまぁいいじゃん、と思う方もいらっしゃるかとは存じますが、日本の検察や警察又はその他の非公式な捜査組織というものはそんなに甘くもないし、クリーンなものでもありません。

 体制や権力者に対して反抗的な者がいたとして、その者を社会的に抹殺しようとした場合にどのような手段が有効でしょうか。やはり、その者のプライバシーをあらゆる手段で記録し、その中に社会的に好ましくない内容のものが含まれており、その記録を手に入れることができたら、その者を社会的に抹殺するのは容易だと考えられないでしょうか。盗聴ではありませんが、実際これと似たやり方は、俗に国策捜査と呼ばれているもので良く使われていますね。ライブドア事件等でも、何故こんなことをマスコミが知っているんだという様な内容がいくつも報道され、堀江貴文や関係者が叩きまくられました。またなんと、検察や警察が非合法に盗聴をしていてそれがばれて訴訟になったケースというものは、いくつか存在するのです。つまりやっている、ということなのです。テレビやラジオがこれらを大々的に周知することはまずありません。

 もし警察や検察が何らかの理由で盗聴等の許可を裁判所から得ることが出来れば、合法的にプライバシー情報を獲得することが出来ます。建前上捜査令状の発布手続きが存在することにより、人権が蹂躙されないようになっていることになっていますが、捜査権限を持つ捜査機関からの請求による発布率は高いのです。なんとでも理由を付けて札を出せる、というあれです。あまりにも無理な請求は出来ないでしょうが、法律というのは実はなんとでも解釈出来るように最後の方にちょろっと書かれていたりします。疑わしいと認められる、とかいうあの文章です。

 まぁつまり、日本の治安のためだとか大義名分により作られた仕組みでも、使い方次第で反体制派の弾圧ツールになるのです。反体制派と聞くとテロリストを連想する方が多いかもしれませんが、極めて真っ当な手段で反体制派をやっている人が潰されたケースは日本でも有ります。「石井紘基 暗殺」、「中川昭一 暗殺」などといったワードで検索してみると良いでしょう。