WOWOWプレミアム ドラマW しんがり 最後の聖戦 山一證券破綻を題材にしたノンフィクション(?)

 社会問題をネタにしたドラマが一定の面白さを持っていることは説明不要ですが、山一證券破綻をネタにしたドラマが現在WOWOWで放送中です。
 しんがり、というタイトルなのですが、悪名高い山一證券でも、悪かったのは一部の幹部たちで、それらの悪事を知らなかった善良な社員たちが後処理をしましたよ、という内容になっています。
 しかし、いくらなんでも美化し過ぎではないかと思いました。あれだけ大規模の飛ばし業務や花替え、ニギリといった行為が行われていた会社で、本社に近い人間がなにも気づかないなどということが本当にあるでしょうか。しかも作中では、末端の社員に都合の悪い書類の処分をさせていたり、幹部から部下へトバシの指示が出ていたなどとあり、それらの秘密が、一定の社員の中だけで固く守られていたとは非常に考えづらいですね。なにより事業監理部が明らかな花替えの痕跡を握っているのに、それ以上の不正がないと思わないなど、普通の大人ではありえないことです。
 このドラマの脚本は、エンタメとしてだけではなく、一部社員のメンツを社会的にある程度護るために作られていることは明白です。外野がこれを見て、あー山一證券にもピュアな社員がいたんだ、などと思っているようではバカですね。証券会社というものは、元々作中の事業監理部の面々に描かれているような、いかにも根っからの善人がやるような仕事ではありません。株やFXというものは、人の金で金を増やしたいという動機から生まれています。株やFXが悪いとはいいません。むしろ面白いし必要です。
 ドラマ半沢直樹でもそうでしたが、いちいち正義の味方の様に金融業界の人物を描く風潮にはウンザリです。