時系列分析に対する独善的意見

 最近ちょっと興味が出てしまったので、時系列分析なるものを勉強することにしました。昔から存在は知っていたのですが、有用性があまりわからず、学者の遊びぐらいの評価しかしていませんでした。
 で、ある程度メジャーな時系列分析を勉強して、R等で試行してみた感想としては、学ぶことは多いがなんか微妙だなと思いました。
 なぜなら、つまり時系列分析というのは、過去の時系列データから分散や相関という統計の概念や数学的テクニックを頼りに、「統計手法による予測」が行える時系列データに対する関数近似を探そうというものだからですね。この、統計手法による予測、という言い訳をしているところがミソです。みなさんが予測と聞いて想像するような能力を発揮するものではないということです。
 ARIMAモデルやVARモデルやその他諸々のモデルを考えた先達たちはものすごーく頑張ったんだと思うし、人並み以上に頭が良いのだと思います。しかしこれらは、未来予測を約束するものでもなんでもなく、自己相関が強い関数近似を探そうという試みの一つに過ぎず、適用できるケースも限られたりします。
 ならば他に何があるのかということなのですが、この目的のためであればニューラルネットワーク(NN)でいいんじゃないかと思ってしまうわけです。NNは非線形な問題にも対応できますし、問題ごとに数学モデルをごにょごにょしなくてもなんとかなるし、ネットワークと学習アルゴリズムの選択によっては、時系列分析などよりもよほど意外な「隠れたパターンや良い近似」のようなものを見つけてくれそうだからです。
 なんじゃそりゃ、と思うでしょうが、NNには「ユニバーサリティ」という特徴があり、全ての関数を一つの学習モデルで近似できるポテンシャルが有るのです。

 しかし、時系列分析を勉強していて、「単位根検定」に絡んだ理論は非常にためになりました。どうためになったかは秘密ですが、分かる人にはわかるかもしれません。嫌味ですみません。
 実は最初からあまり実用的な情報や手段が得られるとは全く思わずに始めました。それでもやったのは、実用的かどうかは一応知ってみてからでなければわからないからです。しかし予想通り、「予測」という時系列分析で主に目的とされるものについては、あまり期待できないものだということがわかりました。学者のお遊びのようなもんです。ゲームとかそういうものに実装する程度なら面白いかもしれません。しかし上述したように、「個人的に」実用可能な知識も得られました。こういうことがあるからなんでも無碍には出来ません。
 
 それにしても時系列分析の勉強は、なんかこう、他のものに比べて一段と疲れるものでした(全部しっかり勉強したわけではない)。なぜなら、最初は何を言っているかわけがわからんからです。そして現時点でもこんなモデルで予測なるものなんぞ出来んわと思っているし、予測なんてものを説明するものでもないと思っています。が、物によっては「なんとなく方向性又はサイクルを示してくれているっぽい」から価値を感じている人もいるし、この分野でノーベル賞を取った人もいます。

 なんでこんなわけわからんものをスルー出来ないのだろう・・・それはきっとその中にも新しい知見があると私のゴーストが囁いているからだ。

 ちなみに、細かい理論について全く気にならんという人は、Rを用いてこれらのなんだかわけわからん計算を簡単に試すことが出来ますのでご安心を。Rとか既存のライブラリがなかったら完全に萎えてる分野ですなぁ。